2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

犬や猫はひとより寂しがりやだ ひとには理屈があるからそれにすがったりすくわれたりもするが 犬や猫には体温だけだ でこの子には体温があるのかな

見送る犬 どんだけ淋しいの 家にはまだ他の人がいるのに

ジョットの絵をみていた奇妙にさりげなく変だしかしみているうちにジョットは正しいと想えてくる 抑制を鍛えるとこんなふうになるのだろう はぶいたものが熱をおびて背後に位置する

猫は ガリガリにやせ あと半日おそかったら 助からなかった あいしてるよなんども云った病院にいる猫にむかってなんども云った それからちょっとしたかけひきをしたわたしのだいじなものをさしだしたなにをひきかえにしたかはナイショサムライのかくごでのぞ…

あたらしい家族!

劇団の養成所ではバクテンをやらされた頭を使わず瞬時にからだを働かせる訓練だという不安やためらいが禁物な世界だおもいっきりの良さが能力とされた だがそうだろうか 対話を重ねるうち たじろぎ ためらい よどみの沈黙にひかれはじめた

夕方は色が増す すべり落ちていくかけがえのない 今日に ふわりと投げられた 別れの 色とりどりの 紙テープのように

おままごとが好きだったせいか いまだに 元気で愚痴を云わない母ちゃんの役を やってるつもり うまくやり通せたら 最期に アバンギャルドな女に もどるつもり

宋の輪花鉢をとりだしてみるといつかの桜があった 写真にしてそのまま枯れたのだろう きのうの杯は朝鮮 きょうのこれは中国 白への憧れがせつせつと伝わる

散りました

月の美しい晩に 電波でやってきておなじ月を 眺めたりするとたとえ遠くかなたでも さわさわとささやいて声にならない 言葉にならない記号が夜空をわたっていくような気がする 受信完了。

花はミツバチの羽音で 蜜を甘くするという

最初の山で両足の爪をはがした二度三度でまずまずの付き合いになったが やはり山は眺めるもので登りたいと血がさわぐわけではないそれに比べ大家の奥さんは毎年雪が溶けると 山にむかって浮き足立つ今年は家族の中の小さい子どもたちもいっしょに登ると言う …

にっちもさっちもいかなくなると 大事なものを手離すすなわち売る ミルテの卒業旅行資金ぐりも まかせな!とばかり 10個売りさばいた 瞳をもつモノたちを包みながら 開けた瞬間のわななきを空想し 末永く可愛がってもらいなねと 最後にもうひとなでする未練…

古いちいさな借家 仮住まいのつもりが23年世話になった 山桜もそだちのびた枝は屋根を抱えている

カラマツもサクラも伐られ道はひろびろ 舗装のてりかえし 嘆くなよ うたえ うたえ取り残されたいっぽんのでんしんばしらが空をつついて あくびした