にっちもさっちもいかなくなると
大事なものを手離す
すなわち売る
ミルテの卒業旅行資金ぐりも
まかせな!とばかり
10個売りさばいた
瞳をもつモノたちを包みながら
開けた瞬間のわななきを空想し
末永く可愛がってもらいなねと
最後にもうひとなでする
未練たらたら
出逢いの経路をたどれば
この子を得るのに
あの日あのとき どれほどの熱情だったか
そして別れの無情というエネルギー
猫の毛ふりはらい全神経使い
梱包を終え
きしむ骨のばし
これも岐路
帰路にはひかえめな光
チリチリと散り散りとした
星めぐり