2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

セザンヌのりんご

雨もようの日曜日 山の空気はつめたくて モノみな寄りそう朝です

宝石の朝

片球しかない父のサングラス 手に取り のぞいてみると 青過ぎる世界は憂うつに沈む ときに判別のつかない現実を父は見ていたと思う

ツタがいいぐあいにからみますないやはや多少の不便は感じますなしかしこれもまた季節がらのことでまことにまことに そちらもこちらも親類のようですな 桜と電柱がいっせいに伸びをした

木の葉が濃くなりカッコーが鳴きだした 外国にいる友人と瞬時にやりとりができたりしてどんどん遠いところがなくなってきた 山のうえ まだ雪の残るあたりを見て あそこはいつまでも遠いと 安堵したりしている

カタツムリ いた!どこに?電気のスイッチの上! 娘も息子もカタツムリが怖い風呂場からの重要伝達事項である おかしいね わたし入るときいないよ 見たことない かあちゃんは カタツムリ食ってるからだ! ずっと食ってるだろ 鬼の首でもとったように 二人は…

マムシの焼酎漬けが長年押し入れにある打ち身によく効くひと塗りで青あざなぞ出来ない痛みもすぐ引くまさに秘薬であるが怖い古い一升瓶の底に どよ~んと鎮座してるのは けっして楽しそうなヘビではないいずれここを引越す際 押し入れからその全貌を引き出し …

あるくどんどんあるくあなたの地図にも踏みこんでしゃがみこんだり つっころんだり うそをついたり ごまかしたりもするけどこら逃げるなと袖をひっぱり世界の醜悪さを糾弾したりあたらしいマルクスに会いにいったり歩くことをためらわず雨にぬれそぼった賢治…

奇妙で不可思議な体験はあるがぞっとするような怖い体験はないそれはじつに幸いなこと友人の何人かはおそろしい事柄にしょっちゅう遭遇しているなぜかと考えるに彼らは共感性が高く気の毒なひとの救いがたい哀しみに我がことのように悲しみ身悶えしてしまう…

イヌ ネコ ヒト プラス自分のワガママに細かく付きあって せわしなく一日が終わりそうなとき 広い景色と狭い部屋のどちらにも顕在する扉をあける ね、なにか言いたげでしょ?

草は夜に背丈をのばし朝には驚くほど茂っている わたしは夜におそろしい妄想にかられ朝にあたりまえの日常をこなしている よけいな情報はいらない

出来たてなのに骨董なような陶器を作りたかった この器は20年前のもの毎日かならず使っている雑にあつかっているが欠けも汚れも目立たない 古く生まれ新しいままという面白さ

こんなに仲良しなのにこれは去年のふたりいまはもうお互い近づかない なにかトラブルがあったかなちがうな うまくやるにはかたちを変えるってことか

桜が散って黄緑の葉があらわれやわらかく輪郭のぼやけた木々をゆっくり愛でるまもなく雨のあと葉の緑が濃くなった 夏のうっそうとした緑はあまり好きでない しかしこっちの思惑なぞ関係なく強い風音をひびかせ木はまっすぐ伸びてゆく 音り と書いて たより …

[ このあたりは日暮れがうつくしい 山の気配につつまれ 青にそまる あかりを灯した人の気配がそこに加わり 青は深まる

新しく知り合った人にはまずインスタを教え気が合いそうだったら携帯の番号もっと意気投合したらLINEというのが若人の常識らしい。 新密度は携帯の番号よりLINEか… そしていちばん教えたくないのが住所というのは困るなぁ。 手紙はどうしたらいいんだろう。

猫の湯タンポを変えヌカミソをかき混ぜ悩むほどのことでもない悩みに足をとられ縦になったり横になったり身のおきどころなくきょうという日が過ぎようとしているが アダブラカタブラ やはり白のしおりをはさんで終わろう

まだ葉のない栗の木だが 夏にはたっぷりの葉陰で 家を覆ってくれる。そういえば この木の下に大家さんのタローが繋がれていて、秋に落ちたイガ栗を踏んで動くのがままならず、元気なくしょげていたことがあった。 よしよし栗をどかしてやろうな、ちょっと待…

骨太な酔っぱらいが好きだ 飲んでも飲まなくても 喧嘩にいたるバカ騒ぎが好きだ しかし 何年も前に そんなことは やめた いまは 本の酔いどれを楽しんでいる

家をおおうような山桜 夜は布団の中から 交信

足が地につく日々は 不自由きわまりないと敬遠してたが鼻歌まじりの漂泊では 見えない景色もある ちいさな変化に 心おどる そのくりかえしでいい

誕生日にバラを送ってくれたひとのその後が気になり定期的に連絡をいれるがいっこうに返事なし そっか うんうん そうだね の返答をする私はいいらしいがで どうなの 人生どうするのと つめよる私からは逃げたいのかもしれない そよともうごかないバラそろそ…