2019-12-01から1ヶ月間の記事一覧

色気

その手に隠しもってる哲学 イケてるね

素描

死にゆく友に手紙を書いた 便箋の線をはみ出し飛びだし書きなぐった 手紙は率直だ 書きなぐったことが許される

由緒ある岩手山神社はじつにショボい 賢治由来の社務所はボロボロ 参拝にのぼる階段も危うい 手入れの問題もあるが 道沿いにありながら看板も表示もなく 来なくていいよと全体が息をひそめてるから 初詣も誰かがポツリと来て誰かがポツリと去っていく ある年…

目が醒めたら 雪が積もっている テレビをつけると このところの頻繁な地震は関東直下型に結びつくと にこにこ説明する専門家がいて このひとは自分も東京に住みながらこの笑顔 たいしたもんだ 思い馳せれば友よ 余命宣告されまだまだずーとずーと普通にふつ…

絶えまない微調整をマチスから学んだ こだわりを一瞬で捨てさることも学んだ 学んだからといって身につくわけではないが 少しは見えないものが見えるようにはなった

漂流浪漫

子ども二人はとっくに大人になったが 子ども部屋というものは一度もなく 大人部屋というものもない だがこのせまい借家に人形部屋があり そこは年中 クリスマスとなっている

一年

存分 孤独に 590時間 グールドを聴いた ミルテの聞いたアジカン総数は270時間 かあちゃんに負けたと悔しがっている

ここに暮らし 寂しくなると 駅や列車の夢をみた どこかに行く夢 何かに出会う夢 いまはもう見ない

信楽の原土を使ったことがある 土は粗く珪石混じりで粘土状にするのに 窯場のコンクリートにぺたりと坐り 毎日少しずつ金づちで砕いた あのころはそれができた 素材に意味があると思った 振りかえればそれは第一の修行で やがて次の課題がやってきた

「あぁ、お前は頭の中が、いつでもごうごうと鳴るだろう。」 「はい、さやうでございます。時によりますと、しんしんと鳴ることもございます。」 「ふん、それは、風が頭の中の小さい小さいすき間を通る時だ。 ごうごうといふのは、頭のなかの野原を翔けて行…

ギターがもてるくらい身体がもどった また歌うよ 竹原ピストルのカウント10歌うよ 燃えるね

モランディの静物のチラシを切りとって メタクシュ文集に貼りつけたら 絵のような朝がきた

あえて抵抗しない

むかしの蚕小屋に薪が積まれ まだまだどんどん積まれていく 与作よ〜さく〜♪へいへいほ〜♪の薪割る音 薪割るひとは 雪かきも居合いも牛の世話もラグビーも山もテレビもスマホも朝刊もこなす 南の島で寝て暮らすあの夢はどうした? それいちばん好き ははあ …

中庸

みぎはひかり ひだりはやみをみる あ ぎゃくかもしれない

おしまひ

影も青いこの道を だれか来ては去る 駒の動きだ 月日も来ては去る ヨーイドンで走ればあっというまのところ ここをひとりなら途中たおれながらの雪かき あんな華奢で弱いスズメは 吹雪の晩をどこでどうこえていくのだろう

賢治さん タンパララタって?

タンパララタ、タンパララタ、ペタンペタンペタン、 北の七つ星 息もとまるばかり 冷えは落ちて来る こうしては居られないと 太刀のつかをとれば 手はすぐこごえつく。 タンパララタ、タンパララタ、ペタンペタンペタン、 雪がぷんぷんと降る 雁のみちができ…

明るい時間がながくなるまでもう少し 冬至には大家さんの南瓜を食べよう さみしさの歯軋りがきこえたって構うもんか きょうの逃してはならない探検 猫のずるい駆引きとか野菜のしとやかな肢体とか 驚き感嘆してクスクス笑いながら生きのびるのだ

外風呂

目をつぶる 満ちる月夜の お湯かげん

不眠

一千一秒物語 無益無意味な展開の 朝には消えるあやうさで 闇の光は 露を弾き 霜を割り 天空の散策へと F・カフカさんも ごいっしょに

イ・ラン「悲しくてかっこいい人」

もちろん海の中には、うつくしくてきれいなものもたくさんいた。 地上では見られないものばかりだった。 普段の生活では知ることのできない、夢にも見ることさえできない場所だった。 必死で息を吸って吐かないとならない場所、隣にいる友人に話しかけること…

ムーミン谷のフィリフヨンカは暗闇と虫を嫌う 落ち葉の下には悪い虫がうごめいてる!これが口ぐせ なのにある時 夜のゴミ出しに戸を開け 暗闇にたたずみ 落ち葉をふんだまま 動かない しばらくそのままずっとそのままで 外のテントには眠れないスナフキン 彼…

見えるかな 雲にけむりの めざすとこ

「秋田街道」 宮沢賢治

向ふの方は小岩井農場だ。 四っ角山にみんな一緒にぺたぺた座る。 月見草が幻よりは明るくその辺一面浮かんで咲いている。 マッチがパッとすられ莨の青いけむりがほのかにながれる。 右手に山がまっくろにうかび出した。 その山に何の鳥だか沢山とまって睡っ…

秋田では びっくりしたっ‼️ を どでしたっ‼️ と云う サクモト君 沖縄ではなんと云うの? あきさみよ〜です あぁ 感嘆符より むしろ詠嘆符 すてき 素敵 このたび サクモト君が作った メタクシュの動画 あきさみよ〜♪ あきさみよ〜♪とおもわずくちずさみながら…

朝のあいさつ みんなが眠るここ

土間の突きあたりの階段を登った二階が 佐藤塾 寺子屋のような擦れた畳に座り机が並んでいる 五、六人ほどの中学生が英語と数学を教わる 生徒が先に座って待つところ 四十才前後の悲しげな目をした佐藤先生が階段を上がってくる 伏し目がちのあいさつ くたび…

約束

明けがた ポシャポシャの雪 猫は早々に帰ってきた そうなんだ 取りこぼしがあってはならない しかも 簡潔でなければならない

タラの(芽)

地と木と空 いっしょに 冬を越す

風は 吹く 息は 吐く 言葉は 吐く 吸いながら 吹けない だから 風と言葉はおなじ 息を吐くまえ 全宇宙を 吸う 微粒子 風気 哀楽 もろもろ 昨日涙 明日に架ける橋 カフカ変身 舞台にできるか不安願望 だれだ寝てるの 諸々の わたし 美しい無言を守り ときに …

音連れ

おとづれは 神さまがやってくること きこえるかきこえないか 気配の音 影向は ようごう ふとそこにやってきたもの 木が震え おとづれ装置 師走窓