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まだ葉のない栗の木だが
夏にはたっぷりの葉陰で
家を覆ってくれる。

そういえば
この木の下に大家さんのタローが繋がれていて、秋に落ちたイガ栗を踏んで動くのがままならず、元気なくしょげていたことがあった。
よしよし栗をどかしてやろうな、ちょっと待ってなと、火ばさみ持参で近寄ったとたん、タローはパクリと私の膝を噛んだ。
日ごろから特に友好的な関係ではなかったから、イガ栗のうっぷんをはらしたのかもしれない。
私の膝から血が流れ出て皮膚がはがれ少し穴があいた。

これとは別に、
近所の犬にもガブリとやられたことがある。
リードをつけ散歩しているシロがすれ違いざま私の腿を突然噛んだ。
スカートが破れ、やはり流血した。

その夜、鮭の切り身の山盛りを捧げ持ち、謝罪に訪れた飼い主は元自衛隊の老兵。なにかと厳しい方で、おごそかな声でこう宣言した。
ケガをされたなら明日にでも犬を処分します!

ぜんぜん!ぜんぜん大丈夫です!と私もおごそかに断言した。


岩手の犬を埼玉に連れていった知人が、向こうでの先住の愛犬を岩手犬がすぐ噛んだ、岩手の犬は危ないと真顔で語っていたのを思い出した。

犬種とかしつけの問題ではなく、なにかもっと土着的な、根性というようなものを感じる。

岩手山麓の犬を、あなどってはいけない。