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玄関の戸をあけると
だれも住んでない…と…思いました…いらっしゃたんですかここに…
訪ねてきた人は戸惑いつぶやいた
ひびわれ はがれ ひしゃげて もげて
次の地震でぺしゃんとなりそうな家屋
価値ある古民家ではなく
戦後に建てられた文化住宅を借りて住んで25年がたった
大家さんは云う
あなたは変わってるからいいけど 子どもたちが かわいそう
大家さん ありがとう
でも…
ここは外壁か?のような洗面所の裸電球をつけてみますね
朝 昼 晩に 色が変わるの
暗いすみっこには虫や微生物もいて
その並びに私たちも居て
風も 土も 光も 何かの気配も
ゆっくりと または突然と 入りこむ家
古いとか新しいとか便利とか不便とか
それだけではない ナニカを もち続ける家
履きなれた靴のように
ここに居て遠くまで連れていってくれる家です